こんにちは!宅地建物取引士の猫さんです!
不動産を売却する方法には 「買取」 と 「仲介」 の2つがあります。
「すぐに売りたい」「できるだけ高く売りたい」など、状況や希望に合わせて選ぶことが大切です。
ここでは、不動産買取の仕組みと、仲介との違い、メリット・デメリットを整理してご紹介します。
不動産買取とは?
不動産買取とは、不動産会社が売主から家や土地を直接買い取ることです。買い取った物件は、そのまま再販、またはリフォームやリノベーションをして販売されます。この仕組みを専門的に行っている会社は「買取再販業者」と呼ばれます。
仲介会社との違い
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仲介:売主が不動産会社に販売を依頼 → 買主を探して売買契約 → 成約時に仲介手数料を支払う。
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買取:不動産会社が直接買い取る。個人で買取業者を探すのは難しいため、仲介会社を通して複数業者の中から最高値で売れるケースもある。
不動産買取のメリット
①すぐに売却できる
不動産会社による「買取」では、仲介のように一般の買主を探す必要がありません。売主は直接、不動産会社に対して売却するため、買主探しや内見対応、価格交渉などの手間が省けます。
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売却までの期間が短い
仲介の場合は買主が見つかるまで数か月かかることもありますが、買取であれば早ければ数日~数週間で現金化が可能です。 -
急な事情に対応できる
転勤や離婚、資金繰りのための現金化など、時間的な制約があるケースでも柔軟に対応できます。 -
販売活動が不要
広告掲載や内覧対応を行わないため、近隣や職場に売却を知られるリスクを減らせます。
②すぐに現金化できる
不動産会社が直接買い取るため、売却代金の入金時期があらかじめ明確になります。これにより、資金計画を立てやすく、急な出費や税金対策にも柔軟に対応できます。
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資金計画が立てやすい
仲介では「いつ売れるか」「いくらで売れるか」が不透明ですが、買取なら契約後は数日~数週間で代金が支払われるため、次の住まい購入や引越しの資金を安心して準備できます。 -
住宅ローン返済の負担軽減
売却代金でローンを早期に完済できるため、毎月の返済負担をすぐに解消可能。延滞リスクを避けられます。 -
相続税や固定資産税の対策に有効
相続した不動産を現金化することで、相続税の納税資金や今後の管理費用・固定資産税の支払いに充てられます。 -
資金繰りの改善
事業資金や急な医療費など、まとまった現金が必要なときにもスピーディーに対応できます。
③瑕疵担保責任がない
仲介での売却では、買主が一般の個人のため、売却後に欠陥(雨漏り・シロアリ・配管不具合など)が見つかると、売主が修繕や損害賠償に応じなければならないケースがあります。これは法的には「契約不適合責任」と呼ばれ、売却が完了した後も一定期間は売主の責任が残る仕組みです。
一方、不動産買取では買主が不動産会社になるため、基本的に売主が責任を負う必要はありません。
メリットの具体例
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売却後のトラブルを回避できる
「引き渡したあとに雨漏りが発覚して多額の修繕費を請求される」ような心配がなくなります。 -
築年数が古い物件でも売却しやすい
設備や構造に不具合がある家は仲介では買い手が見つかりにくいですが、買取なら修繕を前提に取引するためスムーズ。 -
精神的な安心感
売却後に「何かあったらどうしよう」と心配する必要がなく、取引後は気持ちよく手を離せます。 -
追加費用のリスクを避けられる
仲介の場合、想定外の出費が発生することもありますが、買取では売却金額がそのまま手元に入るため、資金計画が狂いません。
④内覧を最小限にできる
仲介での売却では、購入希望者ごとに内覧対応が必要になります。多い場合には数十組の見学が続くこともあり、掃除や片付け、スケジュール調整など、売主にとって大きな負担になります。
一方、不動産買取の場合は、基本的に不動産会社の担当者が1~2回現地を確認するだけで取引が成立します。
メリットの具体例
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周囲に知られにくい
仲介では何度も人の出入りがあるため、ご近所やマンション住民に「売却している」と気づかれる可能性があります。買取ならそのリスクを最小限にできます。 -
居住中でも安心
購入希望者のスケジュールに合わせて片付けや掃除を繰り返す必要がなく、生活しながらスムーズに売却可能。 -
プライバシーを守れる
見知らぬ人に自宅の間取りや生活環境を細かく見られることに抵抗を感じる方も多いですが、買取ならほとんど気にせずに済みます。 -
時間と労力の削減
内覧準備や対応の手間が省けるため、仕事や子育てで忙しい方にもメリットが大きいです。
不動産買取のデメリット
不動産買取はスピードや安心感がメリットですが、その反面、売却価格が「市場価格(仲介で売れる価格)」より低くなる傾向があります。主な理由は以下の通りです。
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リフォーム・修繕コストの控除
多くの場合、買い取った不動産はそのまま再販できません。水回りの交換や壁紙の張り替え、外壁の補修など、一定のリフォームが必要です。その費用は数百万円単位になることもあり、買取価格から差し引かれます。 -
再販リスクを考慮
不動産会社は買い取った物件を将来的に再販しますが、必ずしもすぐ売れるとは限りません。市場の動きや金利変動によって価格が下がるリスクを抱えるため、そのリスク分を価格に反映させます。 -
利益確保の必要性
不動産会社は事業として買取・再販を行っているため、最終的に利益を上乗せして再販売します。つまり、仕入れ(買取)価格は市場価格よりも低く設定せざるを得ません。
まとめ
「早く売りたい」「現金化したい」「トラブル回避したい」 → 買取向き
「できるだけ高く売りたい」「時間をかけても良い」 → 仲介向き
自分のライフプランや状況に合わせて、どちらの売却方法が適しているかを検討しましょう!
今回は以上です!ありがとうございました!
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